歌の練習【声を立てる】
以前に関ジャムでほんの一瞬
ウロ見した内容から
少し気になったトピックスを
今日は一つ、取り上げようかと思います。
番組では
“志村けんさん風”発声
として紹介されていた手法。
これは言い方は
もしかすると人によって
異なるかもしれませんが、
通常私たちがよく録音時に使う
いわゆる
「声を立てる」
というボーカル手法です。
対面レッスンだと
実践しながら見てあげられるので
言葉面だけで解説するよりも
もっと分かりやすいとは思いますが、
たとえばダーツのように
何mか先にある焦点に矢を突き刺す
そんなイメージで発声するような
そういう感じの技法です。
この「矢」が
歌唱における「声」にあたります。
どれくらい遠いかは
どこで何のために歌うのかによって
距離感を変えていきます。
私の場合、仮歌の録音で
この発声手法を多用するため
つまり顔前のマイクに向かうわけなので
遠くのイメージはないということが
ほとんですが、
マイクの中心、
直径数ミリの点に声を収束して
当てるようなイメージで歌います。
マイク全体に当てるような
イメージだと声は立ちません。
これをやるメリットは
声の抜け、明るさ、楽しさ、
そういったニュアンスの向上などが
主にあります。
なのでジャンル、曲調、キャラクター
などによって基本的な向き不向きも
なくはないです。
ただし、いつも言うことですが、
できるけどやらないのと
そもそもやれないのは別なので
自分の引き出しとしては
【一応ある】状態にしておくのが
プロの歌い手としては望ましいし、
一瞬のアーティキュレーションとして
歌に凹凸や奥行、濃淡などの抑揚を与える
という意味では
どんなジャンルの歌い手であっても
この手法は認識して習得しておくほうが
ベターじゃないかなとは思います。
とくにアイドル志望の子、
男女問わず売れている人たち
”売れる声”と言われる人たちの多くは
もともとこれができているか、
意識的にこれを実践しているか
いずれかに当てはまってます。
声質そのものは私自身も含め
それぞれに生まれ持ったものなので
根本的には変えようがないですが、
ちょっとした意識と訓練で
声の響きとニュアンスは
かなり変えることができますので、
そういったことも念頭において
ただ声を発するのではなく、
可能な限り隅々まで意識して歌う
ということを
常日頃心がけてみてください。
案外この手法については
見習い中の若い歌唱者さんは
ボイトレばかりで気づいてない
というケースが多い気がするので
プロとしては
ごく基本的な技法なのですが、
もし知らなかったという人は
この機にぜひ意識してほしいです。
できてない子、
けっこう多いよ?・・・笑
ポテンシャル高い子ほど
できてないかも。
そういう私自身も
昔はそうだったのでよく理解ります。
ボイトレでこういうこと
教えてくれる先生っているのかな、、、
長時間の鍛錬は必要なく
的を掴めれば一瞬で声を変えられる
効果的なボーカル手法なので
私自身もつねに意識するし
今は誰も引き受けてないけれど
レッスンなどでは必ず最初に
指導することの一つです。
この解説でイメージついたどうか
わかりませんが、参考にしてみてください。
【いちおう補足】
何を心がけるかは何を目指すかで変わる
というのが私の基本スタンスですので、
売れれば何でもいいとか売れ線至上主義などの
誤解なきようによろしくお願いします。